デジタル化とビジネス環境
一方で、これらの国々は、先進国の中では経済パフォーマンスも相対的に良好です。いずれの国も既に世界的にみてかなりの高賃金国になっており、労働コストの面で新興国や途上国との競争はなかなか厳しいはずですが、それでも、1人当たりGDPは伸びを示しています。

(注:データは国際通貨基金による)
この1つの背景としては、これらの国々は自国のデジタル化を通じて、国内産業の高付加価値型への転換とビジネス環境の効率化を同時に進めてきたことが挙げられます。例えば、世界銀行の公表する“Ease of doing business ranking 2020”では、ニュージーランドが1位、デンマークが4位、ノルウェーが9位、エストニアが18位、フィンランドが20位と、デジタル先進国がいずれも上位に入っています。
デジタル化の成否を決める「お金の使い方」
日本のデジタル化にとっての最大の問題は、お金が使われていないことではありません。むしろ日本は、国全体としては、ITに対し他国の平均並みにはお金を使ってきた国と言えます。

日本のIT投資額(量)は、それほど低い水準ではない
(出所:日本の「稼ぐ力」創出研究会(2014年10月)経済産業省経済産業政策局説明資料)