フードテック企業が躍進、コロナで脚光浴びる植物肉

企業が打ち出すSDGsやパーパスの「アイコン」へ

朝岡 崇史/2020.10.16

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「味」については主観的な評価になりがちなので、参考程度にしていただきたいが、「価格」の一番安いドトールの商品は完食するのが辛かったものの、その他の3商品の評価はまずまずで、食後の満足感も価格相応に高かったとレポートしておこう。

企業が打ち出すSDGsやパーパスのアイコンに

 実は官能的な評価以外にも、植物肉の浸透を加速させる要因がある。それは、コロナ禍で今や企業経営におけるバズワードにもなっているSDGsやパーパス(企業の社会的な役割)、つまり社会的な大義だ。

 ビヨンド・ミートによると、米国産牛肉でハンバーガー用パテイ約110グラムを作るために必要な土地と水をそれぞれ100パーセントとすると、同社の植物肉を使った同サイズのパテイが必要とする土地は1%、水は7%で済むという。

 また、コロナ禍で植物肉拡大の直接的な原因となった食肉のサプライチェーンの混乱は食肉の生産・加工の工程(肥育、解体、冷却、整形、計量)が長く、複雑で労働集約的であるためにパンデミックによって甚大な影響を受けやすいことを露見させた。

 一方で、植物肉の製造は清潔で自動化が進んだ工場で行われるのでソーシャルディスタンスを保つという観点からも先進的、合理的であると同時に、サステナビリティの観点でも社会的にも受け入れられやすいという世論が形成された。

 こうした地球環境に対する負荷軽減と新型コロナの感染予防という喫緊の社会課題を前にすると、インポッシブル・フーズのパトリック・ブラウンCEOが創業時から唱え、CES 2020のブースでも掲示されていた同社のミッション・ステイトメントは非常に興味深い。

『我が社のミッションは、地球上の食料システムの中から動物を完全に排除することです。科学と自然が協働することで肉をより良いものへと変えていくのです』

CES 2020でインポッシブル・フーズのブースに掲げられた同社のミッション(著者撮影)