求められる共創

 このようにモノ消費からコト消費へ消費動向が変化する昨今、高品質な製品やサービスを提供するだけではなく、生活者の視点に立ち、製品やサービス導入後の生活に関わっていくことが求められている。

 それは何も1社だけで実現する必要はない。住宅と家電というハード×ハードの連携や、住宅とセキュリティ、住宅×ヘルスケアといったハード×ソフトの連携等、それぞれの会社が得意分野を活かし、横断的にサービスを連携・共創することで実現できる場合もある。

 そうして一人ひとりの「暮らしのスマート化」が進み、やがて街や都市とつながり、都市全体で最適化するスマートシティ化が進めば、求められるサービスも変化してくるだろう。そのとき、業界や会社を超えて、利用者や都市のためにどれだけ柔軟性やスピード感を持って共創していけるかが成長の鍵となる。その点では、0から製品やサービスを生み出さなくても、掛け算の市場を開拓し、展開することができるスマートホームは、新規企業でも今からでも十分に参入できる余地がある分野だといえよう。