製品をつなぐスマートスピーカーから、サービスと連携するスマートデバイスへ

 しかしこうしたスマートスピーカーは話題性が高いものの、実際に利用している人はどれくらいいるのだろうか。電通デジタルによる「スマートスピーカーの国内利用実態調査」によると、スマートスピーカーの認知率が約76%なのに対して、普及率は約6%だった。調査対象となった3/4の人がスマートスピーカーの名前を聞いたことがあっても、そのほとんどが実際に利用するまでには至っていないことが分かる。

スマートスピーカーの認知度 (参照:電通デジタルのプレスリリースより)
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スマートスピーカーの所有状況 (参照:電通デジタルのプレスリリースより)
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 その理由として、「スマートスピーカーを使ってまで利用したいことがない」「どんなことができるのか分からない」「スマートフォン、PC、タブレット等があれば満足」「価格が高いから」などの理由が挙げられる。

スマートスピーカーを持っていない理由(参照:電通デジタルのプレスリリースより)
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 このように「価格が高い」スマートスピーカーを使うことで「何ができるのか、何が便利になるのか」という認知度が低いため、所有するまでに至っていない。また、購入価格の面や音声認識の精度、設定の難易度等がスマートスピーカー導入への足枷になっているようだ。

スマートスピーカーにあったらいい機能(参照:電通デジタルのプレスリリースより)
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 一方で、「スマートスピーカーにあったらいい機能」として、「自分の代わりに電話や訪問に応答してくれたり、子守や介護の補助・ペットの相手をしてくれる」機能や、「英会話やフィットネスなどのレッスンが受けられる」「日用品の不足をチェックしたり、日々の予定を教えてくれたり、暮らしのサポートをしてくれる」等、単に音楽やニュースを流す「製品」としての機能だけではなく、現在の生活をよりよくする「サービス」としての機能が求められていることがわかる。

 こうした要望を実現するには「製品」を製造するだけではなく、「サービス」との連携が不可欠だ。さらにその「サービス」を生活者それぞれに合わせてパーソナライズすることで、より生活者の生活を快適にしていくだろう。