今後も、『作れるのか作れないのか』『売れるのか売れないのか』で悶々とするのではなく、アジャイル型の取り組みで『とにかく一旦、形にしてみよう。そして世に問うてみよう』という姿勢を強めていきたいと考えています」

ダイキンの舩田聡常務執行役員

 ダイキンは2017年より、自社の存在価値を「空気で答えを出す会社」と再定義している。ただ単に空調機器を製造するだけの会社ではなく、まだ解決できていない社会の様々な課題に対し「空気」で解決を試みるソリューションプロバイダという位置付けだ。その本気度の現れが今回のCEATECへの初出展であり、AI×IoT技術によって実現した数々の試作品である。

 舩田氏はさらに「長年、内製にこだわってきたが、これからは外部との共創でイノベーションを生み出す手法も積極的に模索していく」と示唆した。各展示物には多くのセンサーが用いられているが、これらの分野ではすでの他社との共創関係が始まっているとのこと。先述の協創型プラットフォーム「CRESNECT」などは、まさに異業種連合による変革追求そのものだといってよい。

 空気を扱う世界的プロフェッショナルの集団が、オープンイノベーションや生活者視点によるアイデアの集積、さらにはアジャイル開発というチャレンジに動き出した。今後どのような「空気で出した答え」を提示してくれるのか、大いに注目したい。