DECAは、米国教育省の認可を受けており、今やカナダ、ドイツ、中国、韓国などにもその活動は広がり、全世界で20万人を超える高校生がDECAに参加しているという。しかし、残念ながら日本の参加は見られない。残念ながらここでも日本は後塵を拝している。

 DECAには各州の組織があり、さらにはカリフォルニア州については、北部、シリコンバレー地区、南部の3つの地区があり、毎年各地区ごとの大会が開催されている。DECAのシリコンバレー地区大会では、700人を超える高校生が参加し、それぞれ20科目はあるマークシート試験や面接試験、さらにはビジネスプラン作成試験に臨んでいた。面接試験では、試験会場で与えられる課題について10分間とうとうとプレゼンテーションをこなし、審査員の質問にも回答しなければならない。

 DECAは、まさに高校生における起業分野における切磋琢磨の場である。やることはマークシート試験や面接試験であるが、そのノリはまるで体育会系である。開会式で学校別の余興があるが、自校の代表が舞台に上がるとフロアから大歓声が上がる。それが試験になると、服装もジャージからスーツにネクタイと、ガラッと変わり、プレゼンテーションは真剣そのものである。

 ちなみにシリコンバレーという土地柄、インド系と中華系が白人よりも多いという印象を受けた。生徒たちは顔の色に関係なくふざけ合い、談笑しているようであった。

 試験が終わった夜はダンス大会だった。絨毯を気にしてか、大ホールの真ん中に板が敷かれ、その上だけが彼らのロックに興じる舞台となる。

DECAの国際大会

メインストリートにはこのような旗がはためいていた。

 DECA最大のイベントが、国際大会「ICDC(International Career Development Conference)」である。

 2万人の高校生が街を埋め尽くす――。これが今年(2018年)4月21~24日に米国南部アトランタにおいて開催された「DECA ICDC」の印象である。

 意外にも、初日のプログラムは5kmのマラソンから始まった。勉強ばかりではなく身体も鍛えよという、ICDC伝統の行事だそうである。ただ、プログラム名が「DECA 5K RUN/WALK」とあるように、歩くことも許されており、先頭集団以外は友達としゃべりながら歩いていた。マラソン大会さながら、道路の1車線をコーンで仕切り、中間地点には給水所もあった。

 ゴールを通過するとメダルがもらえた。私のすぐ後に、足に障がいのある女子生徒が歩行器の助けを借りながら完走し、ゴールすると盛大な拍手がわいていた。