手書きPOPが空中に?書店はITでまだまだ楽しくなる

ARアプリ「POPSTAR」が広げる書店の可能性

鶴岡 弘之/2017.7.26

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書店のIT活用はまだまだこれから

──さわや書店での導入の前に、パルコブックセンター吉祥寺店(東京都・吉祥寺)でも実証実験をしていますね。2つの店で実際にお客さんに使ってもらって、反応はどうでしたか。

角舘 まず、エンタテインメントとしてとても楽しいという声がありました。POPが浮かび上がる画面を見て「驚いた」という反応が多かったですね。

 印象的だったのが、「SNSにアップしていいですか?」と言うお客さんがたくさんいらっしゃったことです。書店の本を背景にPOPが浮かび上がる画像はものすごくフォトジェニックで、フェイスブックやインスタグラムなどで共有したくなる魅力がある。そのことを、お客さんに気づかせてもらいました。

──今、まちの書店はアマゾンなどネット書店に押されて厳しい状況ですよね。その中でこういった形でのITの活用は、書店が生き延びていくための1つのヒントになるのではないかと思いました。

角舘 書店がITをどう使っていくかについては、まだまだこれからだと思います。書店は旧態依然としたシステムと言いますか、そもそも、今は書店でスマホのカメラをかざすこと自体が許されていませんよね。でも、そういう常識に縛られるのではなく、スマホを書店の中でもっと自由に使うことで、さらに新しい経験や購買行動につなげていけるんじゃないかと思います。

──今後の展開について教えてください。

角舘 書店員だけでなく一般の人もPOPを投稿できるようにして、POPを軸にしたSNSを作れないかと考えています。お客さんに、気に入ったPOPをどんどんシェアしてもらうことで、本や書店の宣伝をする役割を担ってもらおうということです。

 また、「〇〇書店の書店員△△さんのPOP」というように、特定の書店員が書いたPOPを表示させる仕組みも作りたいですね。本の魅力だけで売るのではなく、本を紹介している人の魅力も発信するなど、本の新しい売り方を広げていければと思います。