写真提供:共同通信社、CFOTO/共同通信イメージズ
ネット販売比率で米国に大きく後れをとる日本の小売業界。その中で良品計画とZOZOは、独自のアプローチでオムニ・チャネルの先頭を走る。「MUJIパスポート」で購買前後の顧客時間を最大化し、リアル店舗への送客に成功した良品計画。「WEAR」でリアルとネットの融合を目指し、AI診断で「ユーザーに似合うファッション」を追求するZOZO。『ビジネスモデル全史[完全版]』(三谷宏治著/日経BP 日本経済新聞出版)から一部を抜粋・再編集し、2社の挑戦から次世代リテールの成功法則をひもとく。
組み合わせで戦う
「顧客時間型オムニ・チャネル」のMUJIとZOZO
『ビジネスモデル全史〔完全版〕』(日経BP 日本経済新聞出版)
■リアル店舗への誘客と定着化に成功したMUJIネット
アメリカの主要百貨店では、自社ネット販売の比率が25~36%になっていますが、日本の百貨店では5%にも届きません。7&i、イオンも大差なく、ようやく「本格的取り組み」を始めたばかりです。まだまだオムニ・チャネルどころではありません。
日本企業でその先頭を走っているのは良品計画と、ZOZO(ゾゾ)14でしょう。
西友の事業部から分離独立して「無印良品」を展開しているのが良品計画です。
紆余曲折(うよきょくせつ)ありましたが海外事業も伸長し、営業収益は7700億円、営業利益率は9%に迫ります。(25年8月期見通し)
顧客参加型の商品開発手法で「体にフィットするソファ」などヒットを飛ばし、ネットを上手に使う企業として成功例とされています。インスタグラム公式アカウントフォロワーは336万人。小売部門ではスターバックスに次ぐ2位です。
2000年9月からスタートしたオンラインショップでも顧客とのコミュニケーション機能を高め、6年後には売上が有楽町店を抜いて最大店15となりました。
14 2018年にスタート・トゥデイからZOZOに社名変更。
15 現在のオンライン(EC)比率は約10%。






