写真提供:©Thomas Fuller/SOPA Images via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ
民泊仲介大手のエアビー(Airbnb)を育てたのは、「ゴキブリのようにしぶとい」創業者チームの執念と、他人との共同生活が生む「体験価値」だった――。ウーバー(Uber)やボルト(BOLT)などライドシェアを含む世界のシェアリングサービス市場は、2033年に3.2兆ドル規模へ成長すると期待されている。『ビジネスモデル全史[完全版]』(三谷宏治著/日経BP 日本経済新聞出版)から一部を抜粋・再編集。「シェアリング」が変えたビジネスモデルを読み解く。
小さな余剰の「シェアリング」を大きく育てたAirbnbとUber
『ビジネスモデル全史〔完全版〕』(日経BP 日本経済新聞出版)
■ シェアリング市場の半分はスペース。Airbnbがすべてのホテルを凌駕する
シェアリングには2つの意味があります。①売り買いするのではなく所有者から使用者にシェアする(貸す)、②一人で使うのではなくみんなでシェアする(共用する)、の2つです。
もともとルームシェアや着物レンタルは行われていましたが、2000年代後半、インターネットを介して多くの個人や企業同士のモノやスペース、設備をつなぐプラットフォーマーが現れます。その一部が先に挙げたクラウド・ファンディング(お金)でのKickstarter(キックスターター)や、クラウド・ソーシング(ヒトのスキル)でのクラウド・ワークスでした。
世界のシェアリングサービスの市場規模は、24年で合計2600億ドル84。その半分以上を占めるのがスペース(空間)のシェアで、プラットフォーマーとしては個人宅を宿泊目的でシェアするAirbnb(エアビーアンドビー、2008)が圧倒的存在です。世界192ヶ国3.3万都市をカバーし、ホスト(貸し手)はなんと500万件以上。年間5億泊分の予約に利用されています。
84 「シェアリングエコノミー市場レポート」Business Research Insight(2024)







