IFAのボッシュブースの「Home Connect」の紹介パネル。さまざまな規格のロゴが並んでいる。

 前回(「韓国メーカー、『コネクテッドホーム』に全力投球http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48173)は、今年1月にラスベガスで開催された家電見本市「CES 2016」や、9月にベルリンで開催された「IFA 2016」での韓国メーカーの取り組みを紹介しました。

 IFAでは、韓国メーカー以外にも、欧州を拠点または市場とする中国など他国の家電メーカーも、こぞってIoT家電を展示していました。WiFiがついたテレビ、冷蔵庫は当たり前のように置かれていましたし、洗濯機、乾燥機、オーブンやコーヒーメーカー、換気扇に至るまでWiFi対応の製品が並んでいました。

 今回は、欧米のメーカーを中心に、IoTを巡る取り組みや連携の戦略などをご紹介しましょう。

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手を組んでIoTの規格化

 この中で印象的なのは、シーメンス(Siemens)とボッシュ(Bosch)の動向でした。当然、家電の領域では両社は競合していますが、IoT化については普及のために手を組んで、IoT家電の規格「Home Connect(ホームコネクト)」を定め、その規格をオープン化しています。

「Home Connect」規格のボッシュの自動洗浄機。

 この規格の中で、上述した家電の種別ごとに実装すべき機能を定めており、規格に沿った商品であれば、統一統合されたモバイルアプリで一元的に利用できます。もちろん、セキュリティなども担保されるよう設計されています。

 また、サムスンのスマートシングス、LGのSmartThinQのように、「IFTTT(イフト)」や「Amazon Alexa(アマゾンアレクサ)」などをはじめとした他のエコシステムとも繋がるように設計されており、囲い込み戦略ではなく、普及させるための規格というように見えます。

 IFTTTというのは、「IF This, Then That」の略から名付けられたサービスで、スマホで利用できるアプリです。これを使うと関連のないアプリやサービスも連動させて動かすことができます。文字通り、「これがこうなると(IF This)」「あれがこう動く(Then That)」という設定ができるアプリ(サービス)です。