CES 2016のサムスン電子のブース。

 今年1月にラスベガスで開催された家電見本市「CES 2016」や、9月にベルリンで開催された「IFA 2016」では、各国の家電メーカーがネットに繋がる家電に力を入れ始めたことが目にとまりました。

 ここから2回にわたって、世界各国の家電メーカーのIoTに関する動向を取り上げます。今回は、CESやIFAにおける韓国メーカーの取り組みをご紹介しましょう。

サムスンもコネクテッドホームへ

 ここ数年のCESのトレンドを見ると、2015年までは、韓国のサムスン電子、LGエレクトロニクスは、日本の家電メーカーに追いつけ追い越せとばかりに、高精細で大型なLEDテレビやカービングLEDテレビを中核に置き、4K/8Kをはじめ3Dからカービングまで派手さを競い合う姿が印象に残っていました。

 もっとも、LEDテレビの進化については、日本、韓国、中国に限らず、見た目には見劣りしないLEDテレビを生み出しており、テレビという分野においてのアドバンテージは小さくなってきているように思えました。従って、イノベーションという観点で言うと、見本市の主役とも言える家電展示会場では、あまりセンセーショナルな展示が見られませんでした(なんというか、家電量販店で想定の範囲内の新商品を見ているというか)。

 もちろん、いくつかの家電メーカーブースでは、スマートホーム関連の展示や新たな試みは散見されたのですが、展示会のために取り繕ったようなものがほとんどで、実用化、市販化には疑問が残るものも少なくありませんでした。

 しかし、2016年のCESでは、家電メーカーの展示内容に変化が見られました。特にサムスン電子のブースが斬新でした。

サムスンが買収したスマートシングス(SmartThings)が展示ブースの中央に。