2023年11月、日立建機は人的資本情報開示のガイドライン「ISO30414」※の認証を機械メーカーとして世界で初めて取得した。建設機械・鉱業機械を手掛ける売り上げ規模約1兆円、従業員約3万人、海外売上比率約8割というグローバル企業である同社は2022年には日立グループから独立。米国ディア社との合弁も解消、目下、第二の創業期にあるという。
ISO30414認証取得に向けた狙いや苦難、成果や課題について、日立建機の執行役常務CHRO人財本部長の豊島聖史氏が語った。
※ISO30414:国際標準化機構(ISO)が発表した人的資本の情報開示についてのガイドライン。生産性やダイバーシティなど人的資本に関する11の項目と58の指標で構成される人材マネジメント規格。
※本稿は、Japan Innovation Review主催の「第3回 人的資本経営フォーラム」における「特別講演:日立建機らしい人的資本経営とは/豊島聖史氏」(2024年8月に配信)をもとに制作しています。
日立建機はなぜISO30414認証取得に挑んだのか?
2023年11月に日立建機は、機械メーカーとしては世界で初めてISO30414の認証を取得しました。その1年前に当社は日立グループから独立し、米州事業におけるディア社※との合弁も解消して「第2の創業期」にあったといえます。
この好機を人的資本経営の土台を築く出発点とするべく、人的資本の情報開示についてのグローバル・スタンダードであるISO30414の認証の取得に挑むこととなりました。
認証取得に挑む理由としては、次の2つがありました。