アップルは、23年に年間出荷台数で初の首位に立ち、同年10~12月も首位だったが、この1~3月は9.6%減と大きく落ち込んだ。出荷台数は5010万台となり、2位に転落した。中国販売で苦戦しているようだ。

 香港の調査会社カウンターポイントによると、アップルのスマホ「iPhone」の24年年初からの6週間における中国販売台数は1年前に比べ24%減少した。中国において年初6週間でプラス成長したメーカーは、中国ファーウェイ(華為技術)と、20年の米国制裁により同社から分離した中国HONOR(オナー)の2ブランドだけだった。アップルは、高価格分野でファーウェイとの厳しい競争に直面したほか、中価格帯では、中国OPPO(オッポ)や中国・小米科技(シャオミ)、中国vivo(ビボ)などにシェアを奪われたとカウンターポイントは分析する。

サムスンとアップル、中国勢との競争激化

 IDCのリポートによれば、24年1~3月期における世界スマホ出荷台数の3位以降は、シャオミ、中国・伝音控股(トランシオン)、オッポの順。このうち、シャオミは前年同期比33.8%増、トランシオンは84.9%増だった。オッポは8.5%減少したものの、減少幅はアップルのほうが大きい。つまりアップルは上位メーカーの中で最も落ち込みが激しかった。

 上位2社のサムスンとアップルは、今後も高価格帯端末市場で優位性を維持するとIDCは予測する。だが中国ではファーウェイが復活し、シャオミ、トランシオン、オッポ/ワンプラス、ビボが目覚ましい成長を遂げており、上位2社との競争が激化している。

 IDCリサーチディレクターのナビラ・ポパル氏は、「スマホ市場は、過去2年の混乱から抜け出し、より強固になって復活している」との見解を示した。消費者はスマホをより長く保有することを念頭に、より高価な端末を選ぶようになっている。これにより平均販売価格 (ASP) が伸びている。

 各メーカーについては、「シャオミは過去2年の大幅な落ち込みから力強く復活している。トランシオンは国外市場で急成長しており、今やトップ5の常連だ。上位2社はいずれもマイナス成長だったが、サムスンは全体的に過去数四半期よりも有利な状況にある」と指摘する。