ウクライナのドローン攻撃を受けたロシア西部の石油基地=2024年1月19日(写真:Governor of Bryansk Region Alexander Bogomaz telegram channel AV BogomaZ/AP/アフロ)
  • ウクライナのドローンによるロシア製油所への攻撃が続き、今後、油田が狙われるのではとの懸念がよぎる。
  • ロシアの油田が破壊されれば原油価格は高騰し、各国の消費者はガソリン価格の上昇という影響を受ける。
  • これは、ウクライナを支援してきた米国のバイデン大統領にとって、再選への大きな障害となる可能性もある。

(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)

 3月20日の米WTI原油先物価格(原油価格)は前日比1.79ドル(2.1%)安の1バレル=81.68ドルで取引を終了した。前日に1バレル=83ドル台後半と昨年10月以来の高値を付けた後、利益確定売りが優勢となった。

 まず、いつものように世界の原油市場の需給を巡る動きをアップデートしておこう。

 イラク石油省は18日、「今後数カ月間、原油輸出量を日量330万バレルに削減する」と発表した。イラクは1月から「日量22万バレルの自主減産を行う」としていたが、1~2月の生産量はほとんど減少していなかった。市場は「買い」材料と受け止めているが、今回の宣言も『空手形』に終わってしまう可能性がある。

 世界最大の産油国である米国の生産量はこのところ停滞気味だ。足元の生産量は日量1310万バレルとピーク時に比べて20万バレル少なくなっており、米国内の原油在庫は減少傾向にある。

 供給面で若干の逼迫感が生じているのに対し、需要面では回復の兆しが出ている。
 
 中国政府は18日、「1~2月の製油所の原油処理量は前年比3%増の日量1445万バレルだった」ことを明らかにした。旧正月中の国内旅行者数の増加で原油需要が増加したと説明している。

 米国でもドライブシーズンを控え、製油所が稼働率を上げてガソリン在庫を積み増す時期に入りつつある。