HD 110067と同様に、6つの惑星を従えるKepler-11の想像図。 Image by NASA / Tim Pyle.

(小谷太郎:大学教員・サイエンスライター)

 2023年11月29日、米国シカゴ大、東京大学などの研究者からなる国際チームが、共鳴し合う六つ子の惑星を発見したと『ネイチャー』誌に発表しました(※1)。

 なんだかすごい成果のようですが、これはどこに一番驚けばいいのでしょうか。惑星とはどうやって見つけるものなのでしょうか。それが六つ子とはどういうことでしょうか。惑星が共鳴し合うとは何が起きているのでしょうか。

 驚きのポイントを解説するとともに、ついでに400年前の天文学者ケプラーについて紹介しましょう。ついにケプラーの夢が成就したのです。

見つけたり、惑星5500個!

 前世紀に学校教育を受けた方なら、「太陽系に惑星は9個あるが、他の恒星に惑星があるかどうかは誰も知らない」と習ったことでしょう。数百年にわたって、人類の知る惑星はこの太陽系に属する数個のみで、遠方の恒星に惑星があるかどうか、知るすべはありませんでした。

 しかし1995年、ペガスス座51番星という45光年先の恒星を周回する惑星が見つかって、常識はひっくり返りました。それからというもの出るわ出るわ、さまざまな望遠鏡や人工衛星によって惑星が続々報告されて、2023年現在では約5500個ものよその惑星が確認されています。

 なおこういったよその惑星は、「太陽系外」の意で「系外惑星」と称されますが、天文学には「恒星系」「銀河系」「連星系」「多体系」など「系」のつく用語がやたらにあるので、そこを略すと何のことだか分かりません。この記事では「よその惑星」と呼ぶことにします。

 これら5500個のうちほぼ半数は、「ケプラー」という惑星検出専門の人工衛星が「トランジット法」という手法で見つけたものです。ケプラーの名は、ドイツ出身の天文学者ヨハネス・ケプラー(1571-1630)にちなみます。どうでもいいんですが、そういう実在の学者の名前を装置につけると、例えば「ケプラーが見つけた惑星」という文に2通りの解釈が生じてしまって、たぶん100年後の人はどちらのケプラーを指すのか真剣に悩むことになるので、やめた方がいい気がします。