(小林偉:大学教授・放送作家)
クラシックをカバーした名曲
「この曲、どこかで聴いたことあるなぁ」なんてこと、結構ありますよね?
その原曲をたどってみたら、クラシックの名曲だったなんて例も少なくないものです。
そこで、クラシック音楽とポップ・ミュージックとの関係というテーマでお送りしたいと思います。
今回は、その数ある例の中から、クラシックの曲を引用し、それに独自の歌詞を乗せてカバーしている曲を中心に注目してみましょう。
まずは有名な、こちらの曲から。
女性ジャズ・ヴォーカルの大物=サラ・ヴォーンの「ラヴァーズ・コンチェルト」。日本ではCMソングやドラマ(TBS系『不機嫌なジーン』2005年)の挿入歌に採用されたりしている人気ナンバーですが、
こちらの原曲は・・・
音楽の父とも言われるヨハン・セバスチャン・バッハの「メヌエット」。近年の研究では、作曲者はバッハ自身ではなく、クリスチャン・ペツォールトというバッハと同時代の方の作品だとされているようです。
この曲を元に、サンディー・リンザーとデニー・ランドルというコンビが歌詞を乗せ、チャーリー・カレロという方が編曲し、「ラヴァーズ・コンチェルト」という曲に生まれ変わったというワケ。その後、多くの歌手がこの曲を歌ってきた中で、先ほどのサラ・ヴォーンのヴァージョンが決定版になったんですね。