ハマスの武装勢力に攻撃されたイスラエル・スデロットの警察署の外で、武装勢力が使用した武器を回収するイスラエル警察(2023年10月8日、写真:AP/アフロ)

(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)

 ガザ地区を支配しているイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃をかけ、民間人を含む多数を殺害しました。しかも、その際の残虐な映像を(恐らく意図的に)流したため、世界に衝撃を与えています。

 イスラエルは、ハマスが使用している建物などに対してすでに空爆を始めていますが、地上軍による侵攻を含めた報復が予想される事態となっています。

 10月6日には、基本法(憲法に相当する)40条を根拠とした戦争状態宣言を行っており、イスラエル国防軍(以下IDF:Israel Defense Forces)がかなり自由に動ける態勢となっています。

 情報が錯綜しており今後の展開が読みにくい状態ですが、以下では現時点での情報からあえて今後の展開を読んでみたいと思います。

イスラエル国防軍が達成すべき目標

 まずIDFが、イスラエル政府から達成を命じられるであろう目標を挙げてみます。