10月4日、大阪・関西万博の民間パビリオン構想発表会に出席した自見英子万博担当相と万博公式キャラクターのミャクミャク10月4日、大阪・関西万博の民間パビリオン構想発表会に出席した自見英子万博担当相と万博公式キャラクターのミャクミャク(写真:つのだよしお/アフロ)

「ニュースを見て、なんでこんな事になるのだろうっていう怒りしかありません。ママ友たちともこの問題が話題になりますが、いった誰が建設費の計算をしていたのか明らかにして欲しいし、これはある意味詐欺行為だと思うんですね。万博に期待もしていないし、やらなくてもいいと思っているママ友は多いんですよ。今からでも万博を返上して欲しいです」

 大阪市内の40代女性が口を尖らせているのは、2025年に開催予定の関西大阪万博の会場建設費が当初からドンドン膨れ上がっているからである。

 というのも費用は国と大阪府・市そして関西の経済界が3分の1ずつ負担することが取り決められている。国税が使われる国民はもちろんだが、そこに府の公金が投入される大阪府民、さらに市税も使われる大阪市民にとってもみればまったく他人事ではない。万博の推移を見る目が厳しくなるのも当然である。

想定の1.8倍、さらに増える可能性も

 当初誘致が決まった際の計画予算は1250億円だった。それが20年12月の見直しで1850億円にポンと引きあがった。そしてこの9月にはそれがまた増えて2300億円程度になるとの発表がされたのである。なんと当初計画の1.8倍となることになり、最初の予算計画の杜撰さが浮き彫りになった。

 しかも、増額はこれで終わりではない可能性が高い。日本国際博覧会協会(万博協会)は建設費の精査を続けており、さらに増える可能性がある。

 ロシア・ウクライナ戦争の影響による資材高騰、人手不足、そして円安が主因とはいえ、建設費が糸の切れたタコのように舞い上がっていくのは東京五輪と同じ構造だ。冒頭でママ友たちが怒りを露わにするのも当然のことであろう。

 しかし、政府は増額に応じるという。税金をこのようにジャブジャブ投入する事態は国民にはとうてい理解されまい。