プーチン大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(国際ジャーナリスト・木村正人)

反乱5日後にプリゴジンと35人のワグネル司令官と面談

 ウラジーミル・プーチン露大統領は民間軍事会社ワグネルグループから「プーチンの料理番」こと創設者のエフゲニー・プリゴジンを排除しようとしたが、失敗していたことを露の有力日刊紙「コメルサント」(電子版7月13日付)に明らかにした。プーチンは「プリゴジンの反乱」5日後の6月29日クレムリンでプリゴジンと35人のワグネル司令官と面談していた。

 ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官はこれに先立つ7月10日、プーチンとプリゴジンらの面談を認め、「大統領は『特別軍事作戦』中の前線におけるワグネルの功績を称え、6月24日の出来事(プリゴジンの反乱)の評価を下した。大統領は司令官たちの説明に耳を傾け、彼らに雇用のさらなる選択肢と契約を提示した」と説明していた。

 プーチンとプリゴジン、ワグネル司令官の面談は3時間にも及んだという。コメルサント紙によると、プーチンは「ロシア社会にとって、すべては非常に単純で明白なことだ。一般的にワグネル戦闘員は立派に戦った。彼らがこのような出来事に引きずり込まれたことは遺憾の極みだ」と語った。

 プーチンが最初に会いたかったのは「名誉ある戦いをしたワグネル司令官たちで、プリゴジンではなかった」との見方をコメルサント紙の特派員は伝えている。「私は彼らとの面談で、彼らが戦場で何をしたか、次に6月24日に彼らが何をしたかを評価した。第3に、私は彼らに今後の任務について可能な選択肢を示した。それだけだ」とプーチンは説明した。