ゼレンスキー氏「平和を回復できるのは時間の問題」

 その時、モスクワは時差の関係ですでに午前零時を過ぎていたため、ロシアの戦勝記念日は翌9日になった。8日を「ナチズムへの勝利と追悼の日」にすることで欧州の一員としての独立国家ウクライナを強調し、プーチンを孤立させる狙いがゼレンスキー氏にはある。

「ナチズムに対する勝利に対するウクライナ国民の貢献を決して忘れない」と同氏は力を込めた。

「残念ながら悪は戻ってきた。当時のように悪はわれわれの都市や村に押し寄せ、今も同じことが繰り返される。悪はわれわれの人々を殺し、今も同じことが繰り返される。今は別の侵略者だが、目的は同じ奴隷化か破壊だ。第二次世界大戦と同じように悪に立ち向かうのはウクライナだけではない。自由世界全体とともに悪と戦うのだ」

ルハンシク州クレミンナ近郊のロシア軍陣地そばの塹壕に身を潜めるウクライナ軍の兵士(写真:AP/アフロ)

 ゼレンスキー氏は「80年前と同様、われわれは自由な国々の共通の力に頼り、彼らとともに悪に屈しない自由な欧州の一員であることを知っている。自由な欧州とともに5月9日はウクライナで『欧州の日』を祝う。統一された欧州、その基礎となるのは平和であるべきだ。これからもそうだ」と語った。

 9日、ゼレンスキー氏は「20世紀と21世紀の残忍な侵略の共通点を見れば見るほど、その流れに感謝する。欧州の一員であるウクライナのために持続可能で公正な平和を回復できるのは時間の問題だ。78年前と同じように現在の侵略者が敗れるのは時間の問題だ。ロシアの失地奪回主義が自由世界の力によって打ち砕かれるのは時間の問題だ」と自信を漲らせた。