ジェームズ・クリバリー英外相は「ウクライナにおける恐ろしい戦争犯罪の責任者は裁かれなければならない。私たちは、プーチンを含むロシア政権トップの責任を問うためにICCが逮捕状を発行したことを歓迎する。残虐行為を調査するため作業を続けなければならない。モスクワが隣国の主権を脅かすのを英国が傍観することはない」とツイートした。

「ブラッディ・マリー」と呼ばれる女

 ルボヴァ=ベロヴァはウクライナの子どもたちの強制移送と養子縁組に関わっていることから「ブラッディ・マリー」と呼ばれる。

 アゾフ海に面したウクライナ東部ドネツク州の港湾都市マリウポリから強制移住させられた子どもたちの「再教育」を宣言したことで悪名を鳴り響かせた。

「ブラッディ・マリー」ことマリア・ルボヴァ=ベロヴァ(イェ―ル大学の公衆衛生に関する人道調査研究室の報告書より)

 アゾフスタリ製鉄所にウクライナ軍の兵士たちとともに最後まで留まった子どもたちは、プーチンを罵倒してウクライナ国歌を口ずさみ、「ウクライナに栄光あれ!」と繰り返した。プーチンにとってウクライナの子どもたちは「ナチ化」の証拠で、浄化する必要がある存在である。逆にウクライナにとっては、それこそがロシア軍を祖国の領土から駆逐しなければならない最大の理由である。

 ルボヴァ=ベロヴァは5人の実子と18人の養子合わせて23人の母親だ。今年2月、プーチンとの会談でマリウポリから15歳の子どもを最近、養子に迎えたことを伝えた。

「ウクライナ東部ドンバス出身の子どもの母親になることがどういうことなのか、私は知っています。大変なことですが、私たちはお互いに愛しています。どんなことにも対処できます」