ニューヨークのリーマンブラザーズビル(2008年9月15日、写真:ロイター/アフロ)

投資をするうえで一番大切なのは、表面的な説明を鵜呑みにするのではなく、「これって絶対変だな」と気づくことができる一般常識だ。長年金融業界に携わり、最近どこにも忖度の必要がない立場になった著者が、投資に必要な正しい“常識”を解説する。(JBpress)

※本稿は『お金以前』(土屋剛俊著、日経BP)より一部抜粋・再編集したものです。

第1回:「投資をするならアメリカ株のインデックス」で本当にいいのか
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73920

第2回:「日本経済」はこのままだと破綻するのか
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73921

 投資は「これから起こることを予想する」という作業にほかなりません。そしてこれから起きることを予想するうえで、過去に起きたことを参考にするのはとても有効です。

 人は、びっくりするくらい同じ過ちを繰り返します。自分を振り返ってみても思うのですが、同じ人間でも間違うので、メンバーが変われば同じ過ちを繰り返すのは当然ともいえます。

 たとえば、あるものの値段が異常に高くなりすぎると、いずれ価格の調整が起きて暴落することになります。バブルが崩壊したのもこれです。

 世界経済では、ざっくり10年に1回くらい面倒なこと、いわゆる「危機」が起きています。危機が起きるたびにもちろん株価は暴落するので、投資が大変になります。

 ここでは特に大事だと筆者が思っているものを3つだけ選びました。この3つの成り立ちと経過がわかれば、基本は押さえられたと思ってOKです。

●1930年頃の世界恐慌
●1990年頃の日本バブル崩壊
●2008年頃のリーマン・ショック

 日本で発生して弾けたバブルですが、当時の株や不動産の価格だけを表面的に追いかけていたら、本当の姿やリスクは決して見えなかったでしょう。大切なのは、どうして「上がったのか」、その背景に誰が何をしているのかを想像することです。

 日本が経験したこの事件は投資をするうえで、とても参考になります。日本経済に深刻な打撃を与え、その後の日本のあり方や日本人のメンタリティーにも大きく影響したバブルの生成とその崩壊を知り、自分を戒めておくことは決して損にならないと考えています。

 バブルから教訓を得るなら、「常識的におかしいことは必ず壊れる」ということです。

 21世紀に入ってからのいちばんの事件はやはりリーマン・ショックです。問題点はどこにあったのでしょうか。

 経済にとって致命的なのは、「金融システムが壊れる」ということです。リーマン・ショックはアメリカで起こったことにより、世界中の金融システムに大きな影響を与えたことが非常に重要なポイントになります。

 投資のプロではない人が投資をする場合の大切なことは、「長い目で世の中の動きを見極める」ことです。「長い目で世の中の動きを見極める」とはどういうことでしょうか。それは人口動態と、その国の金融システムが健全なのか危ないのかを見ておくことです。すべての基本はこれです。このふたつの視点から、リーマン・ショックを見ていきましょう。