セルフポートレートとパリで殺害したオランダ人女性の絵を抱えポーズをとる佐川一政。退院から約8年後に撮影(写真:橋本 昇)
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(フォトグラファー:橋本 昇)

 11月24日、「パリ人肉事件」の佐川一政氏が73歳で人生の幕を閉じた。

 パリ人肉事件とは、1981年6月に佐川氏が留学先のパリで友人のオランダ人女性を殺害してその肉を食べたという身の毛もよだつ事件だった。

 事件の衝撃は続いた。逮捕された佐川氏が「彼女の肉を食べたかったから殺した」と、供述したのだ。

女性を殺害、その肉を食べたのに「心神喪失状態」とされて釈放

 解体して生で食べた後の女性の肉を冷蔵庫に入れて保存し、フライパンで焼いて食べたという。

 当然、パリの警察は彼の精神鑑定を行った。結果、彼は心神喪失状態であったと判断され、不起訴となった。一説には、取り調べの際に「小さい時に腸炎になった」と言った供述が「脳炎になった」と誤訳されたためフランス警察が心神喪失状態だったと判断したとも言われている。

 フランスの精神病院に措置入院となった佐川氏が日本に帰国したのは、3年後の1984年。報道陣が待ち構える中、ひとりタラップを降りてきた彼の顔は、やはり常人とは思えなかった。悪びれる様子もない彼の白けたような顔は、人々を震撼させた。「彼は人間ではない」「悪魔だ」「一生どこかに閉じ込めておけ」と世間は言った。