OPECプラス閣僚級会合に参加したサウジアラビアのエネルギー相、アブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・アルソー氏とハイサム・アルガイスOPEC事務総長(2022年10月5日、写真:ロイター/アフロ)

(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)

 米WTI原油価格は約3週間ぶりの高値となっている(1バレル=90ドル台前半)。

 OPECとロシアなどの大産油国で構成するOPECプラスが10月5日、11月の原油生産量を日量200万バレル削減することで合意したからだ。

反発の中でOPECプラスが減産決定

 OPECプラスはコロナ禍の2020年5月、世界の原油需要の1割に当たる日量970万バレルの協調減産に踏み切った。その後生産を増やし今年(2022年)8月に減産を解消したが、前回の9月会合で10月の原油生産量を日量10万バレル減らすと決定していた。今回の200万バレルの減産は2020年以来の規模感となる。

 ただし、実際の削減幅は小さくなる可能性が高い。OPECプラスの8月の原油生産量は生産目標を日量358万バレル下回っており、生産削減が必要となるのは8カ国だけだ。実際の減産量は日量100万バレルになるとの試算がある。

 それでも、OPECプラスに対し大幅な減産を行わないよう働きかけていた米国は、早速「ロシアと提携した短絡的な決定である」と失望の意を表明した。