当面の間、Sサイズのみの販売となるマックフライポテト(写真:アフロ)

 日本マクドナルドが「マックフライポテト」の一部について7日間販売休止にすると発表した。ポテトの品薄に関してはケンタッキーフライドチキンも10月に販売休止の可能性について告知している(期間は14日間)。ポテトだけでなく、プリンタやカーナビ、半導体など、多くの商品が品薄になっているが、なぜこうした事態が発生するのだろうか。(加谷 珪一:経済評論家)

ポテトの品薄の背景となった物流網の混乱

 日本マクドナルドは2021年12月21日、「マックフライポテト」のMサイズとLサイズの販売を休止すると発表した。販売休止の期間は12月24日から30日の1週間だが、年末には外出する機会も増える。マックフライポテトは定番商品であり、買い物のついでにお店に寄ってハンバーガーとポテトを食べる人も多い。1週間とはいえ、ポテトがSサイズに限定されるのは、マック好きには痛い。

 日本は米国からのジャガイモ輸入について制限を設けているため、一部の外食産業は調理済み食材としてジャガイモを輸入している。マックフライポテトには米国産のジャガイモが使われており、米国内でカットや下揚げが行われ、冷凍された状態で日本に輸入される。このため貿易が滞ると、品薄を引き起こすリスクがある。

 今回の直接的な原因は、カナダで記録的な豪雨が発生し、バンクーバーの港で混乱が生じたことである。だが、この理由はあくまで直接的なものであって、一連のトラブルには構造的要因が存在すると考えた方がよい。実際、他の企業や業種でも似たような問題が発生しており、影響はあらゆる分野に及んでいる。