ドイツ・フランクフルトの高層ビル(資料写真、Pixabay)

(姫田 小夏:ジャーナリスト)

 年が明けても新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配がない。欧州を中心に世界各国で再びロックダウンが実施され、人々は家に籠っている。

 昨年(2020年)はコロナ禍のなか、外出を断念した多くの人々がインターネットの世界に居場所を求めた。ドイツ在住の日本人、永山明日香さん(仮名)もその一人だ。行き場を失った永山さんが興じたのは、1日300万人がログインすると言われるライアットゲームズ社(拠点は米ロサンゼルス)のPC専用オンラインゲーム「ヴァロラント」だった。

「命のビザ」を教えてあげた

 永山さんはそのゲームで、外国人と一緒にプレーすることもあった。すると、違う国に住むプレイヤーたちと不思議なつながりが生まれていった。永山さんはこう語る。

「気が合った者同士が仲良くなって毎日連絡を取るようになりました。私が仲良くなったのは、ドイツ人と日本人、そしてアルモグという名前のイスラエルに住む20代のユダヤ人女性です。

 仲良くなってわかったことがいくつかありました。ドイツ人はユダヤ人に敬意を払っていたし、アルモグさんはドイツ人とユダヤ人の間の過去の悲劇を根に持っていませんでした。