「メディアの広告も変わりつつあります。若年層はマス広告で『こんな商品があるのか』と知ったあと、SNSで検索し『好意的に取り上げられているか』『自分に合っているか』などを知った上で買うかどうか判断することが多いようです」

 そんななか、C Channelは新しい広告の形を提示した。女性が楽しんで観てくれる動画、役に立つ動画のなかに、企業のPR動画を入れていくのだ。また、時には人気のクリッパー(「C CHANNEL」にレシピ集やメイク術などの動画コンテンツを投稿するユーザー)が、企業のPRとして「これいいよ」と発信する。企業のPRであっても、「このレシピ、つくってみたい」「このメイク術まねしてみたい」と役に立つ動画であれば、多くの女性が楽しんで観てくれる。

「すると、商品情報が女性たちの間に自然と伝わり、時に盛り上がるんです。例えば今、『C CHANNEL』では桃屋さんの商品が“可愛い!”と話題になっています。瓶詰めの少しレトロな感じが若い女性にウケているんです」

 宣伝で自社にとって都合がいい情報を出し、計算された通りの効果を期待するのでなく、若い女性が集まる場に、楽しんでもらえるコンテンツを発信し、盛り上げてもらうわけだ。この展開は、今までのマーケティングの感覚ではつくり上げることはできなかったはず。

 しかも、森川氏には新たな展開が見えているという。

インフルエンサーからファンフルエンサーへ

 2020年4月、C Channelは新たなマーケティングサービス「Lemon Square(レモンスクエア)」の展開を始めた。企業と「ファンフルエンサー」をマッチングし動画広告を配信するサービスだ(「ファンフルエンサー」とは“ファン+インフルエンサー”の造語)。