ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)。2019年10月、インド・ニューデリーにて。(写真:ロイター/アフロ)

 米ウーバーテクノロジーズは1月20日、インドのフードデリバリー(料理宅配)事業を地場の同業企業に売却したことを明らかにした。売却先は、米セコイア・キャピタルや中国のアリババ集団などが出資する「ゾマト・メディア」。取引はすべて株式で行った。ウーバーはゾマト・メディア株の9.99%を取得したという。

インドのフードデリバリー市場で苦戦

 フードデリバリー事業「ウーバー・イーツ(Uber Eats)」のインドにおける提携レストランや配達スタッフ、顧客はすべてゾマトが引き継ぐ。同日付で移行作業を始めたという。ただし、同国の配車サービス事業は継続するという。

 米ニューヨーク・タイムズによると、ウーバー・イーツは急成長している事業。しかし、ここ最近は、多額の出資を受けたスタートアップ企業が世界のさまざまな市場に登場し、ウーバーのシェアを奪っているという。

 インドの料理宅配市場では、ゾマトと、もう1社の競合である「スウィギー」のシェアが合計で約80%になる。後者は、南アフリカのナスパーズや中国の騰訊控股(テンセント)などが出資しているスタートアップだ。

 また、昨年(2019年)1~9月におけるウーバー・イーツのインド事業は、取扱高が全世界の3%にとどまった。こうした状況を打開すべく、値引きをしたり、配達スタッフにインセンティブを支払ったり、プロモーションを展開したりしていたという。