適切な投資で世界をより豊かに

 そんななか、彼自身は何を目指すのか?

「私は世界銀行やJICAさんとコラボをしながら、起業や事業を創る支援を実施し、最終的には国を丸ごと幸せにできるような、国をインキュベーションできるサムライインキュベートにしたいと思っています。そして優秀なスタートアップを生むことで世界を変えていくんです。

 好きな言葉があります。エンジョイ、ユア、プロブレム!(問題を楽しもう!)です。プロブレムを“難”と訳すなら、無難な生き方なんかいらない。難が有る生き方、言い方を変えるなら、有り難い生き方をしたいじゃないですか」

 そして言うまでもなく“誰かの問題を解決すること”はビジネスにも直結する。

「お金は悪いもの、という認識をする方がいらっしゃいますが、それは違うと思います。例えば戦後、焼け野原だった日本が再び道路や電力などのインフラをつくり、雇用が生まれ、生産したものを世界で売るようになったのは、世界銀行や米国がお金を貸してくれたからです。

 今後も世界は問題山積です。アフリカの現在の平均年齢は20歳前後でしたが、感染症が少なくなって平均寿命が伸び、人口も爆発的な伸びを見せています。ここだけを見ても、今後はまた新たな課題が山積し、多数のソリューションが必要になってくるでしょう。そんななか、適切な人・サービス・場所を見極めて投資を行って、事業・産業を生み出し、雇用を生み出せば、僕たちは世界をより豊かにできるはずです」

◎取材、文/夏目幸明(IZUMO)