年間20機ものロケットを打ち上げるということは、常にリスクを抱えることになる。信頼性とリスクのバランスについて、太田社長は語る。

「どんな事業でリスクはあります。そのリスクを最小化するように開発を進めている。我々のロケットは国の固体ロケット技術をベースにし、宇宙活動法のもとで許認可を得て打ち上げる。つまり信頼性の高さには自信がある。また4社はそれぞれ実績のある大企業であり、それぞれが強みと実績を持つ専門性を発揮すれば、十分事業の成果は出てくると自信を持っています。期待していただきたい」

 太田社長に、改めて日本でロケット会社を起業することの意味を尋ねた。

「宇宙と深海は残された人類のフロンティアだと思っています。日本は宇宙開発において発射場もロケットもあり、技術者もいる。ISS(国際宇宙ステーション)で宇宙大国米ロと並ぶメンバーでもあり、総合力がある。その財産を国全体で生かさないといけない。そのひとつとして我々は、日本の宇宙事業の発展に貢献したい」と抱負を語る。

 同社のロケット開発にはJAXAがJ-SPARCという枠組みで協力している。JAXAが蓄積してきた固体ロケットの技術を最大限活用し、高信頼かつ低コストのロケットを最短のスピードで開発する。

「基幹ロケットとは異なる打上げ能力を保有する、民間の打上げサービスを実現し、日本の宇宙輸送サービスを多様化していきたい」(JAXA高田真一氏)

JAXA新事業促進部 事業開発グループ J-SPARCプロデューサーの高田真一氏。スペースワンとの連携担当を務める。

 国が築いてきた「信頼性」×民間ならではの「低コスト化」と「スピード感」。民間が関わることで、その成果が、国のロケットの競争力強化に貢献できる可能性もあるだろう。そのサイクルにも期待したい。