京都のアニメ会社で放火とみられる火災 33人死亡、36人負傷

放火によるものとみられる火災が発生した京都アニメーションの建物(2019年7月18日撮影)。(c)Buddhika Weerasinghe / AFP〔AFPBB News

 7月18日の午前10時過ぎ、京都市伏見区で発生した「京都アニメーション」第一スタジオへの放火事件、本稿を急遽記している段階で33人の死者という、あり得ない犠牲が報道されています。

 放火犯の疑いで身柄を拘束されている41歳の男(埼玉県在住?)は、自身も重い火傷を負っており、容態急変の可能性も考えられるとのこと。

 現場はJR奈良線と京阪宇治線に挟まれたエリアで、京阪六地蔵駅からほど近い山科川に沿った静かな住宅街にあります。

 付近には明治天皇の桃山御陵、つまりかつての伏見城、江戸幕府の伏見奉行所が所在し、長い歴史をもつ地域であるとともに、戦災を受けなかったため、迷路のように細かな路地が入り組んでいます。

 すでにほとんど鎮火していますが、夜中まで火がくすぶっており、地元消防は徹夜で監視体制とのこと。今回の火災で消火作業に手間取ることがなかったか、改めて案じられました。

 なぜそのようなことを記すかというと、後半に記す通り、建物の構造や立地が、今回の放火事件を考えるうえで、非常に重要なポイントであると思われるからにほかなりません。

 すでに報道されている通り、今回の放火はバケツのようなもので「ガソリン」が撒かれ、それに火がつけられて瞬時に燃え広がったと考えられます。

「爆燃」と呼ばれる現象で、瞬時に驚くほどの速さで火が燃え広がり、避難する時間的余裕などはなかったのではないか、との専門家の観測も報じられています。

 私が一番懸念するのは、いまつぶさに報道されたメカニズムから、同様の犯罪がいとも簡単に再現されかねない「模倣犯」の発生です。

 ここ数日、おかしな事件の報道が続きました。自宅で深夜、就寝していた少年が「通り魔」に襲撃されたり、いきなり街中を通行している人が「傘」でこめかみを刺されて失明したり、といった事件が連続して発生。