アメリカ軍がこのようなジレンマに直面していたところ、日本から思ってもみない“救いの手”が差し伸べられた。

 北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に慌てふためいた日本政府が、アメリカ側の売り込みにいとも簡単に応じて、地上配備型弾道ミサイル防衛システム「イージス・アショア」を2セット購入することを決定したのである。

 イージス・アショアを東北地方と中国地方に配備すれば、理論的には北朝鮮(それに満州方面)から日本全域に向けて発射される弾道ミサイルを迎撃することが可能になる。そして、それは同時に、北朝鮮と中国からグアムとハワイを目標に発射される弾道ミサイルをも迎撃することになるのである。

 したがって、これまで日本周辺で弾道ミサイル警戒任務に当たっていた米海軍イージス巡洋艦やイージス駆逐艦の任務を解除して、中国の接近阻止戦力との対決へと変更しても、日本列島で睨みを効かせる2セットのイージス・アショアが十二分に第7艦隊イージス艦の肩代わりをしてくれるのである。

 アメリカ側の次のステップは、日本に設置されるイージス・アショアの迎撃能力を高めるために、すなわちグアムとハワイへの弾道ミサイル迎撃可能性を高めるために、それらのイージス・アショアの弾道ミサイル迎撃用ミサイル装填数を極大化(イージス・アショアを構成するミサイル発射装置そのものの数と発射装置の垂直発射管の数は増減可能)させるとともに、できるだけ多くの迎撃用ミサイルを日本政府に調達させることにある。