「大量に仕入れた牛肉が傷みそうだ」が洞察であれば、「シェフと相談して既存の客数でも牛肉がはけるメニューを開発しよう」など、課題別に仮説・検証サイクルが回るようになります。上手くいけば、牛肉キャンペーンで在庫ロスを回避できるだけでなく、口コミやインスタグラムで話題になり、客数の増加やかきゅ単価の上昇に繋げられるかもしれません。こうして確実に事態が前に進むようになるのです。

 現実のビジネスで考えると、「どうなりそうか?」という洞察をする時の論点と、洞察後に乗り越えなくてはいけない壁を知る論点の2つが必要となります。

 カサは「判断」です。どんなテーマを整理するかにより「〇〇をすべきだ!」という主張や「A案がベストです」のように優先順や実施の判断を促うながすもの、打ち手などが該当します。

ソラ・アメ・カサで1分で分析用マトリクスを作る

 洞察や乗り越える壁を実際に洗い出し、打ち手を整理し、妥当性を決めるのはソラ・アメ・カサを使えば簡単です。マトリクスにして該当するものを放り込むだけで大丈夫です。自然に整理されます。具体的に解説しましょう。

・ソラ・アメ・カサの軸(縦・横どちらでも可)とそれぞれに該当する項目を設定する

・もう1つの軸に検討したいモノをヌケモレなく入れてマトリクスを完成させる

・マトリクスの各マス目に今ある情報を入れる

 以上です。バケツにモノを放り込むイメージです。各マス目が言わばバケツ。該当するものをドンドン放り込みましょう。放り込み終わったら5秒眺めてみましょう。カサの根拠になるアメが弱い、ソラの事実が足りないのでアメを言い切れないなど、意思決定に必要な視点から物事が整理されます。

【図3】ソラ・アメ・カサの視点で打ち手と優先順をつける
拡大画像表示

 ソラ・アメ・カサは他の分析方法と異なり、書かれたものから多数の矢印が発生したりはしないので複雑怪奇になりません。パターンは2つ。「課題や打ち手の優先度を検討するスタイル」(【図3】)、「1つのカサの根拠づけとなるスタイル」(【図4】)のどちらかになるのでスッキリ整理できるのです。

【図4】フレームワークを活用し、打ち手を明確にする
拡大画像表示

 提案書や会議で課題や打ち手を吟味する時、マトリクスにして整理する必要がありますが、このマトリクスの縦軸と横軸の設定に頭を悩ましたり、苦手意識を持ったりしている方も多いのではないでしょうか。

 ご安心ください。ソラ・アメ・カサを基軸に取って、検討対象をもう一つの軸に当てはめれば自ずと検討する視点や項目が浮き出てきます。これでもう苦手意識を持たずに大丈夫です。

 誰でも、サクサクと物事を整理し、打ち手や優先度をつけるマトリクスがつくれるようになるこの方法はお勧めです。