トランプ政権が対中制裁関税の第3弾を発動した。今回の関税措置はこれまでとは比較にならない規模であり、米中は全面的な貿易戦争に突入したとの声も聞かれる。実際のところトランプ関税によるマイナスの影響はどの程度になるのだろうか。
これまでとは意味合いが異なる今回の関税措置
トランプ政権は今年(2018年)3月、通商拡大法232条に基づき、中国産の鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の関税を上乗せする措置を発表。これに対して中国が米国産豚肉など128品目に報復関税を課したことから、トランプ政権は本格的な対中貿易戦争に乗り出すことになった。
トランプ政権がフル活用しているのが、かつて対日貿易交渉でもよく登場した「通商法301条」である。
今年7月に、第1弾として中国製の産業用ロボットや航空部品など340億ドル相当の輸入品に対する25%の関税措置を発動。続く8月には、第2弾としてプラスチックや半導体など160億ドル相当の輸入品に対する関税措置を実施。9月に入ってトランプ政権は、第3弾としてこれまでの規模を大きく上回る2000億ドル規模の関税措置に踏み切った。
今回、発動された第3弾は、従来の関税措置とは意味合いが大きく異なっている。