小惑星リュウグウ上をモーターの力でホップするミネルバⅡ1の想像図。(提供:JAXA)

「リュウグウの地表から夜空を、宇宙を見上げた景色を見てみたい。それは技術者としてというより、(一人の)人間として非常に興味がある」

 2018年9月21日13時6分、小惑星探査機「はやぶさ2」から小惑星リュウグウ表面に向けて、2台の探査ローバー(ミネルバⅡ1)が投下された。冒頭の発言は、同日夕方、着陸が確認される前の会見で、津田雄一プロジェクトマネジャーに探査ローバーへの期待を尋ねたときの答えだ。

 そしておそらく、津田プロマネの期待をはるかに上回る景色が、約3億Km彼方の小惑星リュウグウから届いたのだ!

2018年9月22日11時44分頃(日本時間)探査ローバー・ミネルバⅡ1のローバー1Aがホップしながら撮影した画像。左が小惑星リュウグウ。右に白く見えるのは太陽光。(提供:JAXA)

 なんと躍動感ある画像だろう。これはミネルバⅡ1のローバー1Aが着陸翌日に撮影した画像。実は飛び跳ねながら撮影している。ミネルバⅡ1は小惑星上を移動する。と聞けば、火星ローバーのように車輪で移動する姿を思い浮かべるかもしれない。しかし、直径約900mの小惑星リュウグウはほぼ無重力。車輪で移動しようものなら、飛び上がってしまう。そこでモーターを使い、ホップしながら移動するのだ。

 この画像は、ローバーがいったんリュウグウに着陸後、飛び跳ねて撮影したもの。左側に小惑星リュウグウ表面が、右側に白く太陽光が見えている。