秦の始皇帝陵の兵馬俑

 世界には4つの古代文明がありました。メソポタミア、エジプト、黄河、インダスの4つです。それに長江文明、メソアメリカ文明を加えて、「六大文明」と呼ぶこともあります。

 これらの中で最も古い時代に発展を開始したのはメソポタミア文明でした。しかし、その後、最も経済成長を遂げるのは黄河文明=中国でした。

黄河文明と長江文明

 メソポタミア文明やエジプト文明と同様、黄河文明も黄河が氾濫し、肥沃な土壌がもたらされたことで農耕が発展しました。

 黄河文明最古の文化は、現河南省の裴李崗(はいりこう)文化(前7000〜前5000)で、アワを耕作しブタを飼育したと言われています。

【地図1】中国の古代文明 ©アクアスピリット
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 他にも、前6000頃〜前3000頃に、華北の黄河中流域で栄えた老官台(ろうかんだい)文化、前5300年頃〜前4100年頃、黄河下流域で興った北辛(ほくしん)文化などが知られていますが、有名なのは、前5000頃〜前3000頃に黄河中流全域に出現した仰韶(やんしゃお)文化でしょう。また、前3000年頃〜前2000年頃には、龍山(ろんしゃん)文化が誕生します。いずれも新石器時代の文化で、原始的な農業が行われていたことが知られています。