ロシア、セルビアなど参加「一帯一路」作品展、上海で開幕

今年6月、上海で催された「一帯一路名品展」の会場(2018年6月29日撮影)。ロシアも参加した。(c)CNS/湯彦俊〔AFPBB News

 習近平政権が新たな発展戦略として喧伝する「一帯一路」構想は安全保障・軍事戦略とどのような関連にあるかを、戦区再編後の軍の配備と中国側文献に基づき検証する。

1 中国の海洋戦略の変遷と一帯一路構想提唱の関連

 近代以降中国は、西洋列強による海からの侵略に怯えるようになる。特に、首都北京は海に近く、脆弱である。

 東海は、黄海・渤海、東シナ海、南シナ海の3海域からなる。それぞれに、北海艦隊、東海艦艇、南海艦隊が配置されている。

 従来は、地政学的脆弱性、米韓軍、在日米軍が首都の近隣に展開しており、首都圏防衛の観点から、黄海正面の北海艦隊と、大陸反攻を封じ領土統一を果たすため武力行使も辞さないとしている台湾正面の東海艦隊を重視してきた。

 南海艦隊は、1970年頃までは、近くに大きな造船所もなく、比較的整備は遅れていた。

 しかし1970年代以降、南シナ海でベトナム、その他の東南アジア諸国との島礁の領有をめぐり紛争が起こるようになると南海艦隊も重視されるようになった。

 特に近年、経済力が増大するとともに、海岸地域の都市部の防衛と、経済発展を支える貿易、特に原油輸入のためのシーレーン防衛の重要性が高まり、前述したように、マラッカ海峡に通ずる南シナ海の防衛の重要性が相対的に高まっている。

 また、海空軍力の増強近代化が進展し、海空軍、第二砲兵(軍改革に伴いロケット軍に格上げ)主体にシーレーン防衛態勢も強化されている。

 その表れとして米軍が見ている中国の戦略が、米空母打撃群に対し、中国沿岸から約3000キロ以内で領域支配能力を低下させてその接近を遅らせ、約1000カイリ以内の東シナ海、南シナ海への進出を阻止しようとする、接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略である。

 中国自らは、近海防御戦略と称して、ミサイルと地上配備の戦闘爆撃機などの威力圏を沿岸部に拡大し、その援護下で水上艦艇、潜水艦などのシーレーン防衛態勢を強化しようとしている。

 さらに、2007年の第17回党全国代表者大会において胡錦涛総書記は海軍の任務について、「近海総合作戦能力を向上させると同時に、徐々に遠海防衛型に転換し、遠海機動作戦能力を向上させ、国家の領海と海洋権益を守り、日々発展する海洋産業、海上運輸およびエネルギー資源の戦略ルートの安全を保護する」よう指示している(防衛省防衛研究所編『東アジア戦略概観2016』、109頁)。