プーチン大統領、国民との対話番組で米欧批判

ロシアの首都モスクワで、国民との対話番組に出演したロシアのウラジーミル・プーチン大統領(2018年6月7日撮影)。(c)AFP PHOTO / SPUTNIK / Mikhail KLIMENTYEV〔AFPBB News

 ロシアで2018年3月に再選されたウラジーミル・プーチン大統領の4期目が5月に始動した。

 ドミトリー・メドベージェフ氏を継続して首相に据えた組閣もようやく落ち着き、6月7日に毎年恒例の「プーチン大統領との直接対話」が行われ、その模様が生中継された。

 これは、ありとあらゆるテーマについてロシア国民がプーチン大統領に直接質問する機会を設けるという特別番組だ。

4時間を超える直接対話

 大統領が市民のそれぞれの質問や陳情、日常の不平不満を受け止めつつ対応していくという国内では注目度の高いイベントである。

 大統領と国民とを結ぶ、「ダイレクト・ライン」と呼ばれる直接対話は今年で16回目を迎えた。今回は、生中継が昨年の3時間40分を超えて4時間20分だった。

 経済・ビジネス関連でいうと、基本的に大統領のトーンは前向きだったのが特徴的であろう。

 大統領によると、ロシア経済は安定成長路線を進んでおり、見通しは明るい。ロシア経済のキーワードは、黒でなくグレーでもなく真っ白ではないが白、とのことである。

 プーチン氏がロシア経済を白黒で表現するのも恒例になりつつあり、その背景には以下の経緯がある。

 話は3年前の2015年に遡る。プーチン大統領は、国民との直接対話以外にも、ジャーナリストとも直接に質疑応答する「大記者会見」として知られる恒例イベントを、こちらは年末に開催している。

 その2015年12月の大記者会見では、冒頭で当時落ち込んでいたロシア経済が取り上げられた。記者の質問に対して、アネクドート(小話)やジョーク好きで知られる大統領の回答は次の小話の紹介から始まった。