スウェーデン軍、首都沖での大規模な情報収集作戦を拡大

スウェーデンのストックホルム(Stockholm)群島をパトロールする同国軍の高速戦闘艇(2014年10月18日撮影)。(c)AFP/TT NEWS AGENCY/PONTUS LUNDAHL〔AFPBB News

スウェーデン政府
「IF CRISIS OR WAR COMES」を全世帯に配布

 最近、スウェーデン政府の民間緊急事態庁(Civil Contingencies Agency)は、「もし、危機や戦争になったら(IF CRISIS OR WAR COMES)」というタイトルの、危機や戦争への備えをまとめた小冊子を作成し、470万全世帯に配布した。

 この出来事は、2014年のロシアによるクリミア半島併合とウクライナ東部への軍事介入で、ロシアの領土的野心があからさまになったことに加え、近年、ロシア国境沿いでの軍備増強と活動の活発化が冷戦以降で最大となっていることと切り離せない。

 ロシアの脅威が深刻化・長期化するのに備え、ノルディック3国やバルト3国などがいかに急激な対策を講じる必要性に迫られているかを如実に物語るものである。

 小冊子の中でスウェーデン政府は、対応すべき脅威として軍事紛争だけでなく、異常気象、サイバー攻撃、災害や偶発事案なども挙げている。

 「我々の周りの世界が変わり、政府はスウェーデンの総合防衛(Total defence)の強化を決めた。平時の緊急事態への備えは、戦時の抗堪力(resilience)の重要な基礎になる」 と述べ、いかなる手段を使ってでも侵入者に抵抗するよう、全国民に指示している。

 また、小冊子は、「スウェーデンが他国から攻撃を受けた場合、我々は絶対にあきらめない。抵抗をやめるよう促す情報は、すべてニセ情報だ」と強く訴えている。

 ロシアが圧倒的な軍事力で自国領土を攻撃する「本物の危機」への対応だけではない。

 平時に、不意にサイバー攻撃を仕かけたり、国民の抵抗心や進んで自らを守ろうとする意志を弱めるような偽情報や敵対的プロパガンダを流す工作など、非対称戦への警戒も呼びかける内容となっている。

 スウェーデンの総合防衛は、「スウェーデンの戦争準備に必要なすべての活動を意味し、軍事防衛(military defence)と民間防衛(civil defence)から成り立つ」と定義されている。

 スウェーデンの全国民が国家の防衛と安全への責任を共有し、有事にはお互いに進んで助け合うことが国民にとって最も重要だと説いている。