パトカーの後方で、外国人観光客の降車を手伝っていたのは“緑ナンバー”をつけたタクシーだ。9カ月前にズラリと並んでいた白ナンバーの自家用車はほとんど見られない。都心と羽田空港を行き来するタクシー運転手も、「羽田空港での白タク行為はだいぶ減ったように感じる」と話す。

 ランドオペレーターとしてインバウンドビジネスに従事する、ある在日中国人はこうコメントする。

「中国からのお客さんの中には、白タクを使いたがる人もいます。でも、これほど取り締まりが強化されたら、いつクルマを止められて取り調べを受けるか分からない。だから私はお客さんには正規タクシーの利用を勧めているし、私自身も白タクは利用しません」

白タクはほとんど姿を消した

 ただし、首都圏で白タクが完全になくなったわけではない。羽田空港国際線ターミナルの“降車場”での客待ちは確かになくなったかもしれない。だが、中国人は“上に政策あれば下に対策あり”である。筆者は今回、自家用車を空港パーキングに停めて、そこへ客を誘導する、それらしき中国人運転手を何人か目撃している。また、国土交通省関東運輸局も、羽田空港に集まっていた白タクが他の場所へ分散するおそれがあるという懸念を語っている。

 中国では以前から白タクが多かったが、あくまでも“裏”の交通手段だった。それが、配車アプリやスマホ決済の普及によって、タクシー以上に便利な交通手段として認められるようになった。

 今後、こうした新手のビジネスモデルや商習慣は、日本にも次々に押し寄せてくることだろう。その際「日本では違法」というケースが出てくることは十分に予測できる。今回の羽田空港での警察の速やかな対応は、今後に向けての貴重なノウハウの蓄積になったのではないだろうか。