4つのチェックリスト該当者は、血管のトリプルリスクに要注意 <PR>

人生100年時代、30代から始める内臓脂肪の正しい減らし方

2018.05.08(Tue) JBpress
筆者プロフィール&コラム概要

 医療が進歩して平均寿命や現役年齢が延びる中で、人生の設計を長期的な視点で考える人が増えている。その際に最も重要なのは、言うまでもなく健康である。体のメンテナンスで特に重要なのが、血管のケアだ。不摂生を続けると、血管のリスクである高血圧、高血糖、高血中脂質の3つが連鎖するトリプルリスクが高まる。

 そのメカニズムと改善方法について、著書で初めて隠れ肥満を提唱し、メタボリックシンドロームに警鐘を鳴らした医学博士の岡部正氏に聞いた。

95%が知らないトリプルリスク。元凶は内臓脂肪

岡部クリニック院長 岡部 正氏 日本病態栄養学会評議員、日本糖尿病学会認定専門医・指導医、日本肥満学会会員などを務める。近著「コレステロールと中性脂肪を自力で下げる本」(2015年)

 まずは次の4つチェックリストを見ていただきたい。

✔ 20歳のときに比べて、体重が10kg以上増えた人
✔ 腹囲が身長の半分以上
✔ 早食い体質である
✔ お酒を飲みすぎている

 1つでも当てはまる方は全て、血管の重篤な疾患につながるトリプルリスクを抱えている可能性がある。

 詳細は後述するが、まずはトリプルリスクが起こるメカニズムについて。これを知れば、改善方法を論理的に捉えられるはずだ。

 食事で摂取する塩分、糖分、脂肪分がそれぞれ血管のリスクに関係している一方、全ての根っこでつながっているのが“内臓脂肪”だ。

 内臓脂肪が増え過ぎることで、血圧・血糖・血中脂質の3つの値が連鎖して悪化することが知られている。それらがさらに重なれば、動脈硬化を引き起こし、脳梗塞、心筋梗塞、脳出血などの重篤な疾病へとつながる。

 いわゆるメタボリックシンドローム、内臓脂肪が多くて生活習慣病になりやすい状態のことだが、体の中では次のような連鎖が起こる。

内臓脂肪が蓄積されていく

アディポネクチンという、長寿ホルモンとも呼ばれる物質の分泌が低下

インスリンが効きにくくなる
(「インスリンの抵抗性が高まる」という)

血糖値が上がりやすくなるため、膵臓からインスリンが過剰に分泌される

高血圧、高血糖、高血中脂質につながる

 インスリンの効きが悪くなると、血糖が上がり、血糖値を下げようとしてインスリンの分泌量が過剰になる。するとインスリンは、塩分量を調整する腎臓や中性脂肪を合成する肝臓にも作用し、血圧や血中脂質の値まで悪化する。

 つまり、もし健康診断などで1つの数値でも悪ければ、他の数値にも影響を与えるインスリンの効きが悪くなっている可能性があるのだ。これが、高血圧、高血糖、高血中脂質が連鎖して起こるトリプルリスクのメカニズムである。大切なのは、血圧・血糖・血中脂質いずれか1つに異常がある場合、残りの2つも悪くなる状態の可能性があるということだ。つまり、どれか1つの症状だけを改善しようとてしてもダメであり、残りの2つの影響も考えてケアする必要があるということだ。

 「トリプルリスクとは、いわば内臓脂肪が増えることからおこるリスクの連鎖のことです」と岡部氏。

 さらに厄介なことに、高血圧や高血糖が2つ3つと重なるほど、狭心症や心筋梗塞のリスクが最大で35.8倍(※1)にも達することが分かっている。つまりどれか一つではなく、塩分、糖分、脂肪分の3つを同時にケアしていく必要があるのだ。

 生活習慣病の患者数は年々増えているにも関わらず、3つの数値とも気にしている人の数は約1割と少なく、95%(※2)の人はトリプルリスクのことを知らない。

 また、就寝時だけ血圧が上がる“隠れ高血圧”や食後だけ高くなる食後高血糖や食後高脂血症などもあり、健康診断の結果だけを鵜呑みにするのも危険だという。一方、血管疾患は自覚症状が現れにくく、サイレントキラーとも呼ばれることも強調しておきたい。

※1 2001年労働省作業関連疾患統合対策研究班
※2 トリプルリスクを考える会調べ

悪玉と善玉コレステロールの役割

 ではどうやってトリプルリスクを減らせばいいのだろうか。それには日頃の運動に加えて食生活の改善が必要になるのだが、そこで重要なのがコレステロールと中性脂肪の知識だ。

 「コレステロール」「中性脂肪」と聞くと、全てが悪いと思ってしまいがちだが、本来それらは体内で重要な役割を果たしているもの。コレステロールは細胞膜やホルモンの一部として原料になり、中性脂肪はエネルギー源になる。

 そのコレステロールを、血液を通して体中に送る船の役割を果たすのが悪玉(LDL)。悪玉と名付いてはいるのは、血管壁に溜まって酸化すると動脈硬化が進み、心筋梗塞につながるから。

 高熱で調理したものや、電子レンジで温め直した食品は悪玉コレステロールが酸化しやすくなるので、避けたほうがいいだろう。

 一方で、善玉(HDL)は血管壁にたまった余分なコレステロールを回収してくれる役割を果たしているが、中性脂肪が増え過ぎると、この数値は減ってしまう。

 健康診断書にも数値がL/H比として記載されている場合があるが、「LDLの値/HDLの値=1.5以下が理想である」「2.0以上で動脈硬化が始まる」とされている。

 岡部氏は「塩分、糖分、脂肪分のすべてを摂りすぎないように配慮した食生活が大切です。1つだけ、2つだけではなくトリプルでケアすることが、中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増加させ、トリプルリスクのケアにつながります」と、アドバイスする。

血管のトリプルリスクを改善する食事法とは

 ここで、冒頭のチェックリストに戻る。

 トリプルリスクのケアをするには毎日の積み重ねである食事が鍵だが、なかなか生活習慣を改善できないのが現状だろう。そこで、取り組みやすくて続けやすい方法を岡部氏に伝授していただいた。

✔ 20歳のときに比べて、体重が10kg以上増えた人
 「人間の身体は20歳くらいまでにほぼでき上がっています。当時の体重と比べて、5kg増えていれば要注意、10kg以上増えていればかなり注意が必要。その分が内臓の周りに脂肪として蓄積されている重さの目安になりますから、まずはリスクを認識してください」

✔腹囲が身長の半分以上
 「例えば、身長が170cmの方であれば半分は85cmなので、腹囲が85cm以上の方は、メタボ状態であることの目安の1つとしてください」

 腹囲を習慣的に測ることはないかもしれないが、30秒でできることだ。この際一度測ってみよう。

✔ 早食い体質である
 「食事をしてから満腹感を感じるまでに、脳の満腹中枢に信号が届くのは、約20分後。それまではゆっくりよく噛んで食べないと、満腹中枢が刺激されずにどんどん食べてしまう。大食いすることが、当たり前の習慣になってしまいます」

 忙しいビジネスパーソンの方は、時間を捻出したいがために、丼ものを短時間でかき込むことが習慣になっている方も多いのでは。しかし早食いこそが、もっともトリプルリスクを招く行為。逆に言えば、まずは早食いの改善から始めるのがいいそうだ。

 早食いは大食いの元。早食いを改善すれば、食べる総量も自ずと減ってくる。総量が減れば、塩分、糖分、脂肪分の摂取量を平均的に減らせる。

 そこで、早食いの食習慣を改善する第一歩としてオススメなのが「よく噛む習慣」。よく噛むことで食事の時間を延ばし、満腹感を感じやすくなるのだ。まずは3つの方法を習慣化できるようにしてみよう。

・2週間だけ毎日、1口で10回は噛んでみると決めることで、歯を磨くのと同じように日常のルーチン化を目指す

・満腹中枢からの信号を察知しやすいように、テレビを観ながらなどの「ながら食い」を避けて食事に集中することで、満腹の状態に敏感になる・食事の前にコップ1杯でも水を飲み干す。または、始めは汁物から食べる習慣を身に付けることで、事前にお腹を膨らませて食べ過ぎにブレーキをかける

・品数が多い食事にすれば丼ぶりのようにかき込まなくなり、自ずと噛む回数が増える

✔ お酒を飲みすぎている
 「適度なお酒は善玉コレステロールを増やし、長寿ホルモンのアディポネクチンも増やす。ただしお酒を飲めば、中性脂肪は増えます」

 お酒が全て悪いとは限らない。どの程度を飲み過ぎとするかはアルコールとして1日あたり30gが目安。また、ビールを1日にロング缶で2缶飲んだら翌日は休肝日とするなどの調整は、1週間内であれば許容範囲だという。

他にも、
・飲み会の帰りに、〆のラーメンを食べてしまう
・ラーメンに無料のライスを付けてしまう
・必ず大盛りにしてしまう

 など、そもそも食べ過ぎている習慣にも、改善の余地がある。全体のボリュームを減らしつつ、次のステップとして「お醤油のかけ過ぎを減らす」「コーヒーを無糖にする」「揚げ物を控える」など、塩分、糖分、脂肪分をバランスよく意識的に減らしていきたい。

100年時代を生き抜くために、今から積み重ねを

 毎日の習慣や惰性を改善した上で、さらに「野菜を多く摂る」と、食物繊維の働きにより炭水化物の消化・吸収を遅らせ、食後の急激な血糖上昇を抑えられる。

 特に「色の濃い野菜」を摂れば悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、血栓の予防効果も期待できる。

トマト、にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、ブロッコリーなどが色の濃い野菜の代表例だ

 意識を変えるために、毎日食べているものや間食、噛む回数などをノートに付けてみるのもいいだろう。一時期流行したレコーディングダイエットの考え方に倣い、記録をつけることで見える化し、成果を確認して自己肯定感を高めるのだ。

 また、内臓脂肪を減らすと長寿ホルモンであるアディポネクチンが増える、いわばシーソーの関係にある。アディポネクチンは、糖尿病、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、がんなどの予防改善など、さまざまな効果があると言われている。

 今からでも遅くはない。トリプルリスク対策は早ければ早いほどいい。

 「検診では男性は40代からメタボの方が急激に増えるので、改善や予防をするには30代からのケアが必要。50代であれば相当の注意が必要です」と岡部氏。

 健康体で生き生きと、ひ孫の顔を見る――人生100年時代の未来を想像しつつ、今日の食事のひと口目から、トリプルリスクの改善を意識し始めてみてはいかがだろうか。

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問い合わせ先:トリプルリスクを考える会  https://triple-risk.jp/

 

 

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