緩やかな衰退の中で時間をかけて自身をリシェイプせよ

 したがってこの先は確実に“没落国家日本”となっていくのですが、グッドニュースとしては、日本は「美しく」衰退するということが挙げられるでしょう。

 先行きは間違いなく衰退していくという状況にあっても、みな今は景気がよいと思っています。政府がいざなぎ超えの好景気だと言い、雑誌などのメディアも、そこに登場する経営者なども、口を揃えて今の日本は景気がよいと言っています。

 貧困問題が取り沙汰されることがありますが、職のない人が街にあふれ路頭に迷っているような人が増えているわけではありません。これはデフレのおかげなのですが、ともあれ本来ならばこのような状況にあれば世の中はもっと騒然としているはずなのに、整然と、ハードランディングせずに、緩やかに没落国家への道を歩み始めているというあたりが“美しい国、日本”です。

 この緩やかな衰退の中で、少し時間をかけて、ご自分の会社やプライベートにおいて抜本的な改革を行って、21世紀型のものに変えていく取り組みをされていくとよいのではないでしょうか。

 焦って何かやる必要はなく、十分時間があるのです。

 政治家や役人の状況を見ると、日本の病が治るというのは、先にも述べたように全くあり得ないと思います。今の日本は“家業が政治家”というような、経済や経営についてほとんど全く分からない人が総理と副総理をやっています。それが一強だと言われているくらいですから、これはまず治せません。こういう状況だからこそ皆さんは、ご自分のことやご自分の会社のことをリシェイプするプロセスに集中していただければと思います。

次回に続く

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