政治リスクが高まっており、2018年の世界は不安定に

 2016年も2017年も政治リスクは世界各地にありましたが、2018年は政治的に「この地域は大丈夫だ」と言えるところが少ないでしょう。各地で独裁化の傾向が見られます。

 もともと国政選挙のない中国やサウジアラビアなどが独裁化するのは仕方ないことですが、ロシアにしてもトルコにしてもフィリピンにしても、よくもこんな人を選んだなという人が民主的に国家元首に選ばれて独裁化しています。

 日本でも安倍晋三首相は民主的に選ばれているはずなのですが、対抗馬のいない一強状態で、取り巻きによる“忖度(そんたく)”の限りが尽くされております。

クラウド・モバイル・AI隆盛のIoT時代へ

 産業界に目を向けると、こちらも2017年は大きく潮目が変わった年でした。

 以前から言われてきたデジタル・ディスラプション(技術革新による既存産業の創造的破壊)が、2017年になって結果を出し始めてきました。

 AIやIoTやビッグデータなどをフル活用した会社が高い時価総額を出すようになり、世界の時価総額トップ10の会社のうち7社がそういった会社です。中でも中国企業の躍進は目覚ましいものがあり、米国と覇権を競う構図になっています。

 従来の中国で強い企業と言えばチャイナ・モバイル(中国移動)やペトロチャイナ(中国石油天然気)などの国策企業でしたが、今はもうそういうところはほとんどランキングに入ってこず、個人が設立した会社がICT分野で世界のトップ10に入ってくるという状況になっています。

“米国の次は中国”が明らかになった2017年

 ですから、2017年を振り返ると、これまでに比べて中国と日本の格差が非常に明確に現れたと言えます。

 特許の出願数も発表される論文数も中国のほうが上です。未上場で想定時価総額が10億ドル以上の企業をユニコーン企業と呼びますが、米国には108社あり、中国にはなんと58社もあります。