出版と同時に米主要メディアは競って本書の書評を掲載している。「ウォルフの本は皆が読みたい本。ジョンストンの本は皆が読まねばならない本」(評者のケリー・コンバッド氏)とまで称賛している。

 その中身だが、いわゆる噂話を基にした大げさな記述は一切出てこない。

 トランプ大統領およびトランプ政権の閣僚に関する事実関係を見つけると、その裏を取るべく、政府の関係機関各部門に資料やデータの提供を求め、その真偽を一つひとつつぶしていく手法だ。

 ウォルフ氏がトランプ・ホワイトハウスの「好色でみだらなカオス」を見つけ出そうとしているに対し、ジョンストン氏は「トランプ大統領とその周辺が、Kleptocracy(泥棒政治)に邁進している」ことを具体的なケースを挙げて立証している。

「国家の資産を摂取し、強奪する」大罪

 Kleptocracyとは、ギリシャ語の「Kleptes」(盗む)と「Kratos」(政治)が語源で、「国家の資産を摂取、または強奪する政治」という意味だ。

 いったいトランプ大統領がどのように「国家の資産を摂取、強奪している」のか。著者は次のような具体例を挙げている。

一、不法移民入国を防ぐためにメキシコとの国境に壁を設置することを就任前から「公約」し、就任と同時に大統領令を発令したが、その建設費の支払いをメキシコ政府から拒否された。

 これに対してメキシコからの輸入品に関税をかけ、それで得た資金を建設費に充てるとしたが、その結果メキシコからの輸入品は高くなり、米消費者=納税者はかえって負担が大きくなった。