運命の2月5日

 そう思っていたら、最近、ある大企業トップがこう説明してくれた。

 「2月5日に向けてメディアが『サムスンは大変だ』と報じているのかな?」

 2月5日。この日こそ、サムスンにとって「運命の日」なのだ。

 そうだ。朴槿恵(パク・クネ=1952年生)前大統領を巡る一連のスキャンダル(収賄罪など)で起訴され一審で懲役5年の実刑判決を受けてソウル拘置所にいる李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長の控訴審判決がこの日なのだ。

 李在鎔氏は、病床にある李健熙会長(1942年生)の長男で事実上のグループ総帥だ。

 2017年12月27日、検察側は、控訴審の最終公判で「懲役12年」を求刑した。まさにこの判決が2月5日に言い渡されるのだ。実刑なのか、執行猶予付き判決なのか、無罪なのか。

 万一、控訴審でも実刑になると拘置所生活がさらに続くだけではなく、大法院(最高裁判所に相当)でも軽い判決になる可能性はかなり低くなる。だからサムスン側は必死だ。

 12月27日の公判で李在鎔副会長は最終弁論をした。この内容が韓国メディアでも大きく報じられた。

李在鎔副会長の夢

 「・・・私の企業人としての夢を話します・・・私は、社会と従業員からリーダーとして認められたかった。創業者である李秉喆(イ・ビョンチョル)会長の孫、李健熙(イ・ゴンヒ)会長の息子としてではなく、これら先代に引けを取らない企業人として認められたかったのです」

 「私は一人息子です。他の企業とは異なり、後継者の椅子をめぐって争うこともありませんでした。そんな私がどうして賄賂を渡して請託をしますか?」

 1人息子で競争もないのだから、大統領の賄賂を渡す理由がないという内容だ。本心を正直に話したのだろうが、残念ながら韓国内では同情する雰囲気はあまり生まれなかった。