Moffのオフィスにて。左からVP of Engineering 河治寿都さん、社長の高萩昭範さん、エンジニア 中野 洋輔さん。

 これくらいは動かせるはず・・・。

 リハビリが必要になってからの身体能力に対して、患者自身がもっている元気だった頃の認識ギャップが転倒事故を招く。

 リハビリ患者に身体能力に対する理解を促し、より適切な効果を高める方法がリハビリ現場の課題になっている。

 ここに着目したのが、3Dモーション認識技術でウェアラブルデバイスを開発するベンチャーのMoff(東京都千代田区)だ。

 現在、病院向けに歩行や動作、作業能力を測定するサービス「モフ測」を開発中で、来年初旬の正式発売に向け、最終段階に入った。同社社長の高萩昭範さん(40歳)に、開発背景を聞いた。

センサー技術で遊びからリハビリまで

 高萩さんは、スマホ世代の子供たちが運動不足にならないよう、想像力をかきたてながら体を動かして遊ぶ腕時計型のウェアラブルおもちゃ「モフバンド」の開発で2013年に起業した。

 「モフバンド」は、スマホアプリと連動し、ギターを弾く動作をするとスマホからギター音が出るなど、体感を楽しめる。

 場所を取るコンピューターやゲーム用装置などは不要で、空間的スペースが限られた家庭でも遊びやすいと評判を博した。

 2017年8月には高齢者向けの介護予防を目的に、リズムや音声に従って体を動かして健康維持を図るケアプログラム「モフトレ」の提供を始めた。

 モーションセンサーを実装した「モフバンド」を手首もしくは足首に装着し、スマホやタブレットのアプリを使ってトイレの立ち上がりなどの日常動作や転びにくい体づくりのトレーニングをするというもの。