「そのため中国指導部が、アメリカの先制攻撃に先んじて、満州の中朝国境地帯に集結している中国人民解放軍(以下、中国軍)部隊を北朝鮮に侵攻させる可能性が高まってきた。先制侵攻の場合、中国が国境を越えるタイミングを自ら決定することができ、完全な主導権をもって侵攻作戦を実施できるからだ」

「朝鮮人民軍(以下、北朝鮮軍)は韓国との国境地帯に重点配備されているので、中国国境の防衛体制は手薄である。そのため、中国側が中朝国境から北朝鮮領内に大部隊を送り込むのは容易である。もちろん、中国の海軍力や航空戦力に対して北朝鮮の海軍力や航空戦力はものの数ではないため、中国軍は北朝鮮西海岸からも侵攻することが可能だ」

「それ以上に侵攻作戦成功の決め手となるのは、中国が北朝鮮軍内部に“裏切り者”を醸成する工作を進めていることだ。それらの反体制分子を利用した『トロイの木馬』戦術によって、北朝鮮に侵攻した中国軍部隊は着実に戦略要地を制圧していき、金正恩の核・ミサイル戦力を接収していく」

「このような中国軍による北朝鮮への先制電撃作戦によって、北朝鮮軍によるアメリカ、韓国、そして日本に対する核ミサイル攻撃は阻止される。また、中国軍が主導して金正恩一派を制圧する結果、北朝鮮や朝鮮半島での混乱状態は極小化され、中国は“国際的調停人”としての名声を勝ち取ることになる」

「それ以上に中国にとって重要なのは、中国軍が北朝鮮を占領してしまうことで、朝鮮半島での軍事バランスが圧倒的に中国に有利な状態となることだ。北朝鮮全域の占領は一時的であるものの、その後も中国軍は「核関連施設の管理」等の名目で北朝鮮各地に進駐を続け、米韓側を圧迫することになる」

「北朝鮮への先制攻撃は、最後の手段の1つである。しかし中国にとっては“最悪の度合いが極小の、最も望ましい形の軍事行動”と考えられるのだ」

中国国境の中国人民解放軍