今後に注目! 節電に報酬が出る「ネガワット取引」

需要のコントロールで電力供給の安定を図る

2017.10.06(金) 稲垣 憲治
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51188
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電気の需要をよりスマートに。

2017年4月から「ネガワット取引」が本格開始されました。

 ネガワット取引は、電力の需給逼迫時などに、電力会社からの通知に応じて節電を行った需要家が報酬を得られるものです。発電ではなく節電というのが大きなポイントです。需要家を集めて節電量を束ねる「ネガワットアグリゲーター」と呼ばれる事業者が、電力系統運用者と契約することで成立します(各需要家はネガワットアグリゲーターと契約します)。

*ネガワット取引のスキームには、小売電気事業者がインバランス(需要と供給の差)を防ぐために利用するものと、電力系統運用者が調整力として活用するものがありますが、ここでは現在主流の後者のみご紹介します。

ネガワット取引の動向

ネガワット取引のイメージ(経産省資料「ディマンドリスポンス(ネガワット取引)ハンドブック」より)

 ネガワット取引の背景には、電気の「需要量と供給量を常に一致させなければならない」という特性があります。これまでは、電力会社がピーク需要などに対応できる発電能力を確保してきましたが、この発電所の建設・維持コストを削減するため、ネガワットはピーク時間等における節電によって需要と供給のバランスをとります。

 ネガワット取引は、米国、英国、フランス、韓国などでは既に実施されており、米国ではピーク電力需要に対するネガワットの比率が10%に達する地域もあります。

 我が国においては、今年度、東京電力パワーグリッド、中部電力、関西電力、九州電力の4社の電力系統運用者において、合計36億円の取引がありました。

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(いながき・けんじ) 平成17年3月東京大学大学院修了(エネルギー工学)。同4月文部科学省入省、原子力計画課係長などを経て22年3月退職。同4月から現在まで東京都庁職員。東京都環境局においてソーラー屋根台帳など自治体の新しい太陽光発電普及策の企画に従事。(公財)東京都環境公社において新電力設立・運営に従事。5か国10都市の再生可能エネルギー普及策等を現地調査。業務時間外に、京都大学「再エネ大量導入を前提とした分散型電力システムの設計と地域的な経済波及効果に関する研究プロジェクト」研究員としても活動。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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