今後に注目! 節電に報酬が出る「ネガワット取引」

需要のコントロールで電力供給の安定を図る

2017.10.06(金) 稲垣 憲治
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51188
  • 著者プロフィール&コラム概要

 需要家としては、EMS(Energy Management System)などの機器導入コストが必要ですが、手間なく省エネがなされるとともに、ネガワット報酬も受け取れるというものです。現在のネガワットアグリゲーターの傾向を見ると、同社のように、ネガワット単独で収益化を目指すというより、自社の省エネサービスや蓄電池などの商材と組み合わせて、ネガワットを提案する傾向が見て取れます。

ネガワットの未来像

 このネガワットですが、政府は2030年度までに米国と同水準(最大需要の6%)とすることを目指しています。日本の最大電力は160GW程度ですので、その6%は約10GWであり、大型火力発電所10基分の容量となります。かなりの規模ではないでしょうか。

 今後、太陽光発電や風力発電などの変動電源の導入が進むと、電力系統の安定化のため需要の柔軟性はますます重要になります。また、2020年の発送電分離によりネガワット取引が活性化するとの観測もあります。ネガワット取引が普及する可能性は十分あるのではないでしょうか。

 ネガワット取引は始まったばかりで、まだまだ認知度が低いのが現状ですが、ネガワットが社会に根付けば、必要となる発電所の数を削減でき、温室効果ガス削減など環境面でも、(火力発電所のコストよりネガワットのコストが低く、それが電気料金に反映されれば)経済面でも好影響が期待できます。今後のネガワット取引の盛り上がりに注目です。

*本原稿は個人として執筆したもので、所属する団体の見解などを表すものではありません。本原稿へのご意見・お問合せはinagaki_energy@yahoo.co.jpまでお願いいたします。

3
スマートエネルギー情報局TOPに戻る
PR
PR
PR
バックナンバー一覧 »

POWERED BY

  • ソーシャルメディアの公式アカウントOPEN!
    TwitterFacebookページでも最新記事の情報などを配信していきます。「フォロー」・「いいね」をよろしくお願いします!
Twitter
RSS

(いながき・けんじ) 平成17年3月東京大学大学院修了(エネルギー工学)。同4月文部科学省入省、原子力計画課係長などを経て22年3月退職。同4月から現在まで東京都庁職員。東京都環境局においてソーラー屋根台帳など自治体の新しい太陽光発電普及策の企画に従事。(公財)東京都環境公社において新電力設立・運営に従事。5か国10都市の再生可能エネルギー普及策等を現地調査。業務時間外に、京都大学「再エネ大量導入を前提とした分散型電力システムの設計と地域的な経済波及効果に関する研究プロジェクト」研究員としても活動。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

>>最新記事一覧へ