米ウォールストリート・ジャーナルによると、米国には3000万人近くの糖尿病患者がおり、そのうちの5~10%が1型糖尿病(小児糖尿病)。これは主に自己免疫によっておこる病気。体内でインスリンを作ることができず、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むことなどができない。患者は毎日幾度となく血糖値を測定し、インスリンを投与しなければならない。

 非侵襲的方法で血糖値を測定するセンサーが開発できれば、多くの糖尿病患者を助けることができるため、研究者らはこの課題に取り組み続けているという。またこのセンサーをアップルの腕時計型端末「Apple Watch」に組み込めば、同端末は患者の必携品になると、CNBCは伝えている。

医療・健康関連の3つのプラットホーム

 アップルは、こうした医療・健康関連の取り組みに力を入れている。例えば昨年は、健康情報を管理・共有する技術やサービスを手がける、グリンプス(Gliimpse)という米国の新興企業を買収したと伝えられた。

 アップルが、このグリンプスの技術をどのように利用しているのか具体的なことは分からない。しかし同社には3つの医療・健康関連ソフトウエアプラットホームがあり、グリンプスのような技術やサービスを、これらプラットホームに生かしていると見られている。

 3つのソフトウエアプラットホームのうち1つは、フィットネス機器や健康管理のアプリからデータを集めて共有する「HealthKit(ヘルスキット)」。これとiPhoneの健康管理アプリ「Health」(日本語名は「ヘルスケア」)を組み合わせることで、利用者は自身のデータをApple WatchやiPhoneで確認したり、医師から通知を受けたりすることができる。

 2つ目は、医学・医療研究用の「ResearchKit(リサーチキット)」。こちらでは、iPhone利用者の活動や症状、健康状態を測定・調査するアプリの開発が可能だ。同社はこれについて、医学・医療機関と協力しており、すでに、米ロチェスター大学と米生物工学研究所、セージ・バイオネットワークスが開発したパーキンソン病研究のアプリ「mPower」がある。

 3つ目は「CareKit(ケアキット)」。これは、個人の健康・症状・治療データを扱うアプリを開発できるというもの。アプリでは健康管理のプランを記録したり、症状や投薬治療の管理を行なったりすることができる。

 アップルは、1型糖尿病患者向けのHealthKitアプリを開発した専門家を雇い入れるなど、慢性疾患を抱える患者向けの技術やサービスに力を入れている。